ソニーの研究開発拠点と中東の壺と多治見の白土を結ぶパッシブデザイン

パッシブデザインの事例(ソニーが研究開発拠点とするオフィス)

パッシブデザイン-ルーバーJR大崎駅を降り品川駅よりに進むとそのビルはある。NBF大崎ビル(旧ソニーシティ大崎)。ソニーが研究開発拠点とするオフィス。

スクエアーでシンプルな形態の高層ビル(25階建て)。このビルを特徴づけているのが、ファサード全面を覆うルーバーです。パッシブデザインではよく見かけるルーバー。ルーバーはパッシブデザインの基本的手法である日射の遮蔽を目的として設置されることが多い。しかし、このファサードは、ほぼ北向きで、パッシブデザインの日よけとしてはほとんど機能しない。このルーバーは、設計者がバイオスキンと命名する独創的なパッシブデザインなのです。パッシブデザイン事例-ソニービル話は、少し飛びますが、中東などでは、住宅に大きな素焼きの壺がおかれ、水が満されています。この素焼きの壺の表面には、中の水が染み出て汗をかいたようになり気化します。この水が気化する際の蒸発冷却により部屋に涼を生み出します。まさしくパッシブデザインです。日本では、建物の南に落葉樹を植え、夏に住宅の日射を遮蔽します。そして、この樹木の木陰は、光合成の過程で土壌中の水を吸い上げ葉の裏面から蒸発する際に起こる蒸発冷却作用により温度を下げているのです。これを利用するのもパッシブデザインで、木陰がひんやりした涼を感じるのはこの作用によるものです。
パッシブデザイン事例-ソニービル今回紹介しているNBF大崎ビルのルーバー(バイオスキン)は、この水の蒸発冷却効果を生みだすための仕掛けなのです。素焼きの壺のような効果を生む多治見の白土できた陶製のルーバーの中を、貯留雨水が通り気化冷却させることで、外壁面を冷やすパッシブデザインなのです。しかも、JRの路線に沿った建物の配置にも意味があり、東京湾の風が内陸へと流れていく風道にあり、その風の向きと平行に建物を配置して風の通り道を守るもとともに、バイオスキンでその風を冷やし地域のヒートアイランドの抑制の一助を果たす素晴らしいパッシブデザインです。パッシブデザインルーバーシステム

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