アーキスタジオを選んだ訳
建築家と話をするのは初めてで、初めは敷居が高くなかなか仕事を頼めないのではないかと心配したが、滝川さんは物腰やわらかく、なおかつ真摯に建築のことを考えていらっしゃる方で、お会いしてすぐにこの先生ならば大丈夫だろうと感じることが出来た。
クライアントから当初出した要望
建築に大変興味があったため、夫婦で自分たちの要望を盛り込んだプランの案を持ち込んだ。
滝川さんからは「これを参考にしますが、このまま作ることはたぶんない」と返答を頂いたものの、これによって当方の家のこだわる部分がスムーズに伝わり、打ち合わせを重ねるたびに先生の提案されるプランが当方の理想へと近づいていった。
当方が重視したのは予算を守りながらも性能に妥協しないところであり、機能性、省エネルギー、耐震性、セキュリティなども綿密な打ち合わせを行いながら検討していった。
最終的に出されたプランは当初我々で考えた間取り案とは全く違うものであったが、はるかに原案を凌駕する素晴らしいものであり、非常に満足している。
先生との打合せや施工を通じてとても良かった点、苦労話など
滝川さんとの信頼関係が強固にできたことが大変よかった。
先生のこだわりと、施主のこだわり、そして工務店のこだわり、そして三者の経済性は必ずしも利益が一致するものではなく、得てして衝突する部分もあるものだが、その衝突が一つの良い住宅作りという方向性が一致していただけに良い意味でのエネルギーのぶつけ合いで素晴らしい体験をした。
一方でそれだけのエネルギーをぶつけるということは当然それだけの自分自身に確固とする基盤が無ければ成り立ないわけで、住宅作りというのは人生観の棚卸とも言えると感じた。
滝川さんはご自分のビジョンというものをしっかりとお持ちであるが、 決して施主にそれを押し付けようとしない。
施主が納得できないときには施主の言い分を良く聞いてくださり、結果的に最も良い方向性に導いてくれた。
また施工に入れば当然予期しないことも多々起こったが、滝川さんは現場の対応も大変経験豊かであり、それがまた職人さんとの信頼関係にも結びついて安心できた。
滝川さんと一緒に仕事をされている構造の設計士の方も大変真面目な方であり、現在世間を騒がしている強度問題についても全く不安を感じていない。
完成後の家の感想、気に入った点
住宅を見せた身内、友人には衝撃的で、普段建築雑誌などを見慣れていない人にとっては「家から風呂に入るのには屋外に出なければならず、しかも屋根がないのはおかしい」とか、批判が相次ぐ一方、「まるで家ではなくリゾートのよう」だとか「モダンで落ち着く」とか「施主のやりたいことをすべて実現した家」などの賞賛もある。
賛否両論真っ二つということはそれだけこだわりを作って取捨選択した自分たちによる自分たちのためのオリジナルな家を作ったという訳であるから、狙い通り家が造れたという証でもある。
施主のテーマは「スローライフを楽しむ」ということであったが、風呂場をテラスで隔てられた離れに設置することにより、入浴行為を日常生活から非日常の特別イベントに押し上げ、生活に張りを持つことができた。
アーキスタジオに依頼される方へのアドバイス
建築家に家を頼もうと考えられている方は、住まいや生活にこだわりを持っている方だと思います。
家づくりは当初想像した以上に施主のエネルギーを必要とします。
しかし、そのエネルギーを投入すればするほど、必ずそれが形となって自分に帰ってきます。一生に一度体験できるかどうかの貴重な機会ですので楽しみながらこだわり続けることが良い住まいを造る最も大切なことだと思います。